「ゲーミングPCのメモリは絶対にデュアルチャネル」という言葉を聞いたことがあっても、デュアルチャネルについてよくわかっていない人は多い。
そこでこの記事では、デュアルチャネルとは何かを解説し、シングルチャネルとの違いや実際のパフォーマンス差を紹介している。
最近はメモリ価格の上昇を受け、BTOショップでもシングルチャネルのモデルが増えているため、ぜひ最後まで見ていってほしい。
メモリのデュアルチャネルとは?シングルチャネルとの違い
ざっくりと言えば、メモリを1枚しか挿さないのがシングルチャネル、2枚挿すのがデュアルチャネルだ。
例えば32GBのメモリを搭載する場合、32GB×1だとシングルチャネル、16GB×2だとデュアルチャネルとなる。
メモリが1枚→2枚になることで、データの通り道が2倍になるため、理論値ではメモリ速度が2倍になる。ただしメモリ速度が2倍になったからといって、実際のパフォーマンスが2倍になるわけではない。
例えばAmazonで、トラックの速度が2倍になったとしても、荷物が家に届くまでの時間は半分にはならない。輸送の準備など、他の時間が半分になっていないからだ。
デュアルチャネルの実際の効果をシングルチャネルと比較
デュアルチャネルとシングルチャネルを比較して、実際のパフォーマンスにどれほどの差が出るのかを見ていこう。
使用するCPUにもよるが、ゲームにおいては平均で10%ほどの差が出るとみて良さそうだ。
CPU:Ryzen7 9700Xの場合
Counter Strike 2においては、シングルチャネルは平均で約9%劣った。
Cyberpunk 2077においては、シングルチャネルは平均で約12%劣った。
CPU:Ryzen7 9800X3Dの場合
Counter Strike 2においては、シングルチャネルは平均で約2.5%劣った。Cyberpunk 2077においては、シングルチャネルは平均で約9%劣った。
Ryzen7 9700Xと比べると、Ryzen7 9800X3Dの場合は差が小さい。Ryzen7 9800X3Dには3D V-Cacheが搭載されていて、メモリへの依存度が低いため、デュアルチャネルとシングルチャネルとの差が出にくいのだと推察できる。
デュアルチャネルになる条件
2枚のメモリが同じ容量・規格であること
1枚目のメモリが16GBのDDR5-5600の場合、2枚目のメモリも16GBのDDR5-5600である必要がある。
厳密には、例えば2枚目は8GBのDDR5-5200のように、1枚目と異なっても良い。しかしその場合、8GB×2でDDR-5200のデュアルチャネル+8GB×1のシングルチャネルになるため、無駄が出るのだ。
無駄を出さないためにも、同じ容量・規格のメモリを揃えた方が良い。
マザーボードがデュアルチャネルに対応していること
ほとんどの場合は気にする必要はない。
現行のマザーボードであれば、デュアルチャネルに対応しているからだ。
よほど特殊なマザーボードを使わない限り、心配する必要はない。
正しいメモリスロットにメモリを挿していること

基本的なマザーボードには4つのメモリスロットがあり、CPU側からA1、A2、B1、B2と名前がついている。そのうちA2とB2に挿すことでデュアルチャネルとなる。
A1とB1でも問題はないようだが、マザーボードの説明書ではA2とB2の組み合わせを推奨していることが多い。
デュアルチャネルかどうかを確認する方法
タスクマネージャーから枚数を見る

Windowsのタスクマネージャーから、メモリの枚数を把握できる。
これだけだとデュアルチャネルで動作しているかは分からないが、ほぼほぼデュアルチャネルだと思って良い。
詳しく知りたい人は以下の方法を試そう。
CPU-Zで確認する
CPU-Zは自作er御用達のフリーソフトで、PCのハードウェア情報を表示してくれるソフトだ。
公式サイトからCPU-Zをインストールしてアプリを起動すれば、デュアルチャネルで動作しているのかを確認できる。
コマンドプロンプトで確認する
ソフトをインストールしたくない場合は、コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力することで、メモリの情報を知ることができる。
wmic memorychip get devicelocator, partnumber, capacity, speed, Manufacturer, MemoryType
ちなみにコマンドプロンプトは、Windowsの検索欄に「cmd」と打ち込めば起動できる。
トリプルチャネルやクアッドチャネルについて
メモリを3枚挿せばトリプルチャネル、4枚挿せばクアッドチャネルになる。デュアルチャネルが主流だが、クアッドチャネルにするユーザーもいる。(トリプルチャネルはあまり聞かない)
条件はデュアルチャネルと同じ
4枚のメモリが同じ容量・規格であり、クアッドチャネル対応のマザーボードを使う必要がある。
ちなみにデュアルチャネル対応のマザーボードに4枚のメモリを挿すと、デュアルチャネルとして動作する。
低容量ならデュアルチャネルで良い
DDR5の場合、クアッドチャネルにすると速度が低下すると言われている。
例えば32GB程度であれば、8GB×4ではなく16GB×2のデュアルチャネルにする方が良い。
一方で128GBの必要になる場合などであれば、32GB×4のクアッドチャネルにすると良い。
デュアルチャネルに関してよくある質問
全く同じメモリを2枚挿す必要があるのか?
基本的にはそう思って良い。
現在だとどのメーカーも技術が向上していて、異なるメモリを組み合わせても問題ないことが多い。しかし無駄や不具合が出る可能性があるため、できれば全く同じメモリを2枚用意するのを推奨する。
DDR4とDDR5のメモリを組み合わせても良いのか?
DDR4とDDR5のメモリを組み合わせるのは物理的に不可能だ。
マザーボードはDDR4対応、DDR5対応、というように決まっている。DDR4対応のマザーボードにDDR5のメモリは挿さらない。逆も同じだ。
違うメーカーのメモリを組み合わせても良いのか?
良いが推奨はしない。
一昔前だとメーカーを揃える必要があると言われていたが、現在ではメーカーを揃えなくても動作することが多い。
ただし不具合が起きる可能性もあるため、わざわざ違うメーカーのメモリを採用する意味はない。
違う容量のメモリを組み合わせても良いのか?
良いが無駄が出る。
例えば16GBと8GBのメモリを組み合わせた場合、デュアルチャネルで動作するのは8GB×2だけで、残りの8GB×1分はシングルチャネルで動作する。
どうしても24GBにしたいという状況はないと思うので、おとなしく同じ容量のメモリを採用した方が良い。
動作クロックの異なるメモリを組み合わせるとどうなるのか?
低い方のクロックで動作する。
例えばDDR5-5200とDDR5-5600を組み合わせると、DDR5-5200のデュアルチャネルとなる。5600の方が無駄になってしまうため、クロックを揃えるのを推奨する。
DDR5のメモリだと、1枚でデュアルチャネルになるって聞いたけど?
半分正解で半分不正解だ。
DDR4のメモリは、1枚の中に通路は1本しかなかった。そのため2枚合わせることでデュアルチャネルになるという単純な話だった。
一方でDDR5のメモリは、1枚の中に2本の通路がある。そのため1本でデュアルチャネルになっているようにシステムからは見える。
しかしDDR4だろうとDDR5だろうと、2枚挿すことで速くなることは変わらないため、2枚挿そう。
まとめ:デュアルチャネルはシングルチャネルより有意に有利
この記事では、デュアルチャネルとシングルチャネルとの違いと、実際のゲームにおける効果を解説した。
基本的にはデュアルチャネルの方が10%ほど有利だが、CPUがRyzen7 9800X3Dの場合はメモリの影響を受けにくいため、シングルチャネルでもさほど問題はないことが分かった。
今はシングルチャネルとして運用し、後で1本買い足してデュアルチャネルにするという選択肢もある。デュアルチャネルをおすすめするが、いま絶対に必須というわけではない。

