ゲーミングPCを買う際、どのBTOを利用するかを決めるのは難しい。BTOごとにどんな違いがあるのかが分かりにくく、1つに決める判断材料がないからだ。
この記事では、ストームがどんなBTOで、他BTOと何が違うのかを解説している。
ストームの評判や独自の特徴を知り、自分に合っているBTOなのかを判断したい人は必見だ。
ストームとは?独自の特徴を紹介
ストームは、東京都千代田区にある。株式会社アイティーシーが運営するBTOパソコンのブランドだ。
ストームの独自の特徴は、ピラーレスケース専門と言えるほどのラインナップだ。ほとんどのシリーズにピラーレスケースが採用されていて、デザイン面で他BTOと差別化がなされている。さらに背面コネクタマザーボードを採用するシリーズも多く、見栄えにもこだわっている。
ピラーレスケースはコスト面で高額になるため、コスパだけで見ると悪い(良くはない)。とはいえ、ピラーレスケースであることを踏まえれば妥当な価格設定だ。
見た目にこだわったピラーレスケース採用のゲーミングPCが欲しいなら、ストームは必見のBTOだ。
ストームの魅力を紹介
独自の特徴と重複するところもあるが、筆者視点でのストームの魅力を紹介する。
- デザイン性に優れたピラーレスケースを採用
- サイトが使いやすい
デザイン性に優れたピラーレスケースを採用

ストームで選べるシリーズのほとんどでピラーレスケースが採用されている。特に白いピラーレスケースが多く、非常にスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
一部のシリーズでは背面コネクタマザーボードを採用することにより、内部配線を裏側に隠し、PC内部をスッキリ魅せるということまで行っている。
ピラーレスケースにこだわっているストームならではのラインナップとなっていて、他BTOとは明らかに差別化できているところだ。
サイトが使いやすい
ストームのサイトは以下の2つの点で使いやすい。BTOにおいて、サイトの使いやすさは地味に重要だ。
- 全体的なサイトデザインがシンプル
- カスタマイズ画面がシンプル
全体的なサイトデザインがシンプル
ストームのサイトは余計なバナーなどが少ないため、かなり使いやすい。シリーズごとの検索もでき、比較検討したり、目当ての構成に辿り着いたりしやすい。
2025年6月にサイトがリニューアルされてから、デザインだけでなく読み込み速度も改善され、より使いやすいサイトに仕上がっている。
カスタマイズ画面がシンプル
カスタマイズ幅が狭いからという理由もあるが、カスタマイズ画面が非常にシンプルで迷うことがない。特にPC初心者であれば、詳細な解説を書かれたところで意味が分からないため、シンプルさは評価に値する。
ストームの注意点・残念な点を紹介
筆者視点での、ストームの注意点・残念な点を紹介する。
- コスパは良くない
- カスタマイズ幅が非常に狭い
コスパは良くない
ピラーレスケースを採用しているという関係上、コスパは良くない。ピラーレスケースは通常のケースより高額になる傾向にある。
以下の表は、価格の安さで有名なフロンティアのゲーミングPCと比較したものだ。
ストーム | フロンティア1 | フロンティア2 | |
---|---|---|---|
外観 | ![]() | ![]() | ![]() |
CPU | Ryzen7 9800X3D | Ryzen7 9800X3D | Ryzen7 9800X3D |
グラボ | RX9070XT | RX9070XT | RX9070XT |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 |
SSD | 1TB | 2TB | 2TB |
価格(税込) | 368,000円 | 315,800円(セール) | 344,800円 |
フロンティアの通常デザインのセールモデルと比べると、約5万円高額だ。フロンティアは常にセールを開催しているため、常にこれくらいの価格差があることになる。フロンティアの非セールのピラーレスケースと比べても、約2万円高額だ。
断っておきたいのは、ストームのゲーミングPCが法外に高額なわけではない。スペック表からは分かりづらいが、どのメーカーのどのグレードのパーツを採用しているかによって、一見同じ性能でも価格は変わってくる。
品質や信頼性を度外視して、価格だけしか見ない場合、ストームのゲーミングPCは高額になるというわけだ。
カスタマイズ幅が非常に狭い
ストームではパーツのカスタマイズがほとんどできず、メモリとSSDの容量くらいしか変更できない。メーカーの変更もできないため、「SSDはWestern Didital製が良い!」というようなこだわりがある人には向いていない。
一方でカスタマイズの狭さは、PC初心者にとってはメリットになる。PC初心者はメーカーの違いが分からないし、選択肢が多いほど無駄に迷うだけだ。パーツのメーカーにこだわりがないなら、カスタマイズ幅の狭さはデメリットではなくメリットと言える。
ストームの評判を紹介
ストームの評判を調べてみたところ、9割以上がポジティブな評判、1割未満がネガティブな評判だった。
ポジティブな評判のほとんどはデザイン面に関することで、ストームの独自の特徴であるデザインが多くの人に刺さっていることがわかる。
ポジティブな評判
ストームの評判のほとんどは、デザイン面に関するものだ。「デザイン重視ならストーム」と言われるほどの評価だ。
自作erから見ても好印象なパーツ選定も評判だ。
ストームのネガティブな評判
どこのBTOでも同じだが、サポートの質に関しては一定数の悪評がある。
ストームのゲーミングPCはこんな人におすすめ
ストームは、デザインに惚れた人におすすめのBTOだ。ストームはピラーレスケース専門と言えるほどのBTOであり、他BTOではほぼ見かけないデザインのケースを揃えている。背面コネクタマザーボードによって配線を隠すことで、見栄えの良いピラーレスケースに仕上がっているのもポイントだ。
逆に、デザインが刺さらないならストームを選ぶ理由は薄い。特別安いわけでも、カスタマイズ幅が広いわけでもないからだ。
ストームは、ピラーレスケースのきれいさやかっこよさを気に入った人におすすめできるBTOだ。
ストームで選べるPCケース&シリーズごとのゲーミングPC一覧
ストームで選べるPCケースは以下の通り。ほとんどがピラーレスケースであることが分かる。
シリーズ・ケース | 説明 |
---|---|
鏡界シリーズ![]() | 最も基本的なシリーズ |
新界シリーズ![]() | 背面コネクタマザーボードにより、配線の見栄えが改善しているシリーズ |
幻界シリーズ![]() | 背面コネクタマザーボードにより、配線の見栄えが改善しているシリーズ。 MSIコラボモデル。ケースはMAG PANO M100R PZ / WHITE。 |
幻界LBシリーズ![]() | 幻界シリーズの黒ケース版。 MSIコラボモデル。ケースはMAG PANO M100R PZ / BLACK。 |
影界シリーズ![]() | 黒にこだわったシリーズ。 ケースはPhanteks NV5S。 |
流界シリーズ![]() | 曲面ガラスパネルにより、「高さ」に当たる辺に曲線を実現したモデル。 |
鏡界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 220mm×440mm×455mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB3.0×2 USB3.1 Gen2 Type-C |
鏡界シリーズは、ストームの中で基本となるシリーズだ。内部配線のきれいさは上位シリーズに劣るが、価格面で優位性がある。
ピラーレスケースでさえあれば細かい見栄えは気にしないという人にぴったりのシリーズだ。
AMDモデル | R7 5700X | R7 7800X3D |
---|---|---|
RTX5070Ti | 349,800 | |
RTX5070 | 235,000 | |
RTX5060Ti | 209,800(16GB) 198,000(8GB) | |
RX9070 | 256,000 | |
RX7800XT | 219,800 | 259,800 |
※2025年6月10日時点での情報
Intelモデル | i7-14700F | U5 225F | U7 265F | U7 265KF | U7 265K |
---|---|---|---|---|---|
RTX5070Ti | 359,800 | 389,800 | 399,800 | ||
RTX5070 | 289,800 | 329,800 | |||
RTX5060Ti | 239,800(16GB) 229,900(8GB) | ||||
RX7800XT | 249,800 | 259,800(即納) |
※2025年6月10日時点での情報
新界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 220mm×440mm×455mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB3.0×2 USB3.1 Gen2 Type-C |
新界シリーズは、背面コネクタマザーボードを採用することで、PC内部の配線が見えなくなっているシリーズだ。
ピラーレスケースは内部が丸見えなので、配線が整っている新界シリーズは非常に見栄えが良い。
AMDモデル | R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D |
---|---|---|---|
RTX5070Ti | 389,800 | 429,800 | |
RTX5070 | 328,000 | 358,000 | |
RTX5060Ti | 279,800(16GB) 269,800(8GB) | ||
RX9070XT | 328,000 | 368,000 368,000(即納) | |
RX9070 | 319,800 | 349,800 | |
RX7800XT | 289,800 | 249,800 |
※2025年6月10日時点での情報
Intelモデル | i5-14400F | i7-14700F | i7-14700KF |
---|---|---|---|
RTX5070Ti | 369,800 | 376,000 | |
RTX5070 | 299,800 | 305,000 | |
RTX5060Ti | 219,800(16GB) 209,800(8GB) | 269,800(16GB) 259,800(8GB) |
※2025年6月10日時点での情報
幻界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 235mm×405mm×440mm |
インターフェイス | ヘッドホン マイク USB3.2 Gen2 Type-C ×1 USB3.2 Gen1 Type-A ×1 |
幻界シリーズは、新界シリーズのMSIコラボ版だと思って良い。新界シリーズと同じく背面コネクタマザーボードを採用し、見栄えの良いピラーレスケースを実現している。
AMDモデル | R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D | R9 9900X3D | R9 9950X3D |
---|---|---|---|---|---|
RTX5080 | 439,800 | 479,800 | 509,800 | 539,800 | |
RTX5070Ti | 389,800 | 429,800 | |||
RTX5070 | 328,000 | 358,000 | |||
RTX5060Ti | 279,800(16GB) 269,800(8GB) | ||||
RX9070XT | 328,000 | 368,000 | |||
RX9070 | 319,800 | 349,800 | |||
RX7800XT | 289,800 |
※2025年6月10日時点での情報
Intelモデル | i5-14400F | i7-14700F | i7-14700KF |
---|---|---|---|
RTX5070Ti | 369,800 | 376,000 | |
RTX5070 | 299,800 | 305,000 | |
RTX5060Ti | 219,800(16GB) 209,800(8GB) | 269,800(16GB) 259,800(8GB) |
※2025年6月10日時点での情報
幻界LBシリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 235mm×405mm×440mm |
インターフェイス | ヘッドホン マイク USB3.2 Gen2 Type-C ×1 USB3.2 Gen1 Type-A ×1 |
幻界LBシリーズは、幻界シリーズの黒色版だ。白色の幻界シリーズとは違い、ラインナップが限定的となっている。
AMDモデル | R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D |
---|---|---|---|
RTX5080 | 369,800 | 405,000 | |
RTX5070Ti | 319,800 | ||
RTX5070 | 259,800 | ||
RX9070XT | 269,800 | ||
RX9060XT | 235,000(16GB) | ||
RX7800XT | 235,000 |
※2025年6月10日時点での情報
Intelモデル | i5-14400F | i7-14700F |
---|---|---|
RTX5070Ti | 349,800 | |
RTX5070 | 279,800 | |
RTX5060Ti | 209,800(8GB) | 259,800(16GB) |
RTX4060Ti | 199,800 | |
RTX4060 | 185,000(即納) | |
RX9070XT | 289,800 279,800(即納) | |
RX7800XT | 249,800 |
※2025年6月10日時点での情報
影界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 218mm×504mm×445mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB3.2 Gen2 Type-C ×1 USB3.0 ×2 |
影界シリーズは、黒にこだわったシリーズだ。Phanteks製のピラーレスケースを採用していて、全体として引き締まった印象を受ける。
影界シリーズ登場前のストームは白いピラーレスケースを中心に扱っていたが、影界シリーズの登場により、白と黒の両方がラインナップに上がった形となる。
AMDモデル | R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D | R9 9950X3D |
---|---|---|---|---|
RTX5090 | 769,800 | 809,800 | ||
RTX5080 | 429,800 | 469,800 | 529,800 | |
RTX5070Ti | 379,800 | 419,800 | ||
RTX5070 | 318,000 | 348,000 | ||
RTX5060Ti | 269,800(16GB) 259,800(8GB) | |||
RTX4060Ti | 249,900 | |||
RTX4060 | 229,900 | |||
RX9070XT | 339,900 | 399,900 | ||
RX7800XT | 279,800 |
※2025年6月10日時点での情報
Intelモデル | i7-14700KF | U5 225F | U7 265F | U7 265K | U9 285K |
---|---|---|---|---|---|
RTX5090 | 809,800 | ||||
RTX5080 | 439,800 | 489,800 | |||
RTX5070Ti | 399,800 | 405,000 | |||
RTX5070 | 329,800 | 329,800 | 335,000 | ||
RTX5060Ti | 259,800(16GB) 249,800(8GB) | 299,800(16GB) 289,800(8GB) |
※2025年6月10日時点での情報
流界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 238mm×502mm×483mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB Type-C ×1 USB3.0 ×2 |
流界シリーズは、流れるような曲線を意識したケースを採用したシリーズだ。曲面ガラスケースを採用し、「高さ」に当たる4辺が角ばっているのではなく丸くなっている。
※2025年6月10日時点での情報
Intelモデル | U5 225F | U7 265F | U7 265K | U9 285K |
---|---|---|---|---|
RTX5080 | 439,800 | 489,800 | ||
RTX5070Ti | 399,800 | 405,000 | ||
RTX5070 | 329,800 | 335,000 | ||
RTX5060Ti | 259,800(16GB) 249,800(8GB) | 299,800(16GB) 289,800(8GB) |
※2025年6月10日時点での情報
まとめ:ストームはピラーレスケースが売りで評判のBTO
この記事では、ストームの評判や独自の特徴を紹介し、他のBTOと何が違うのかを解説した。
- ストームは、ピラーレスケースによるデザインが独自の特徴であるBTO
- 独自の特徴であるデザインを評価する声が非常に多い
- 悪評はサポートに関するものだが、数としては少数
ストームのピラーレスケースのデザインは、他BTOでは替えが利きにくく、独自の特徴として確立している。
特に悪評もなく、優良なBTOなので、デザインに惚れたのならストームのゲーミングPCをおすすめする。