BTOパソコンの購入を検討する際、多くのメーカーが候補に挙がる。その中でも、主にケースデザインの特殊さで注目されることがあるのがストーム(STORM)だ。
しかし、大手メーカーと比較すると情報が少なく、「実際のところ、ストームの評判ってどうなの?」「安かろう悪かろうじゃない?」と不安に感じる人も多いはず。
この記事では、ストームのメリット・デメリットから、どんな人におすすめなのか、購入時の注意点まで、分かりやすく解説する。
この記事を読めば、ストームのBTOパソコンが自分にとって最適な選択肢なのか、判断するための材料を見つけることができる。
ストーム(STORM)ってどんなBTOメーカー?
ストームは、株式会社アイティーシーが運営するBTOパソコンのブランドだ。本社は東京都千代田区にある。
大手BTOメーカーのような派手なプロモーションは少ないものの、ケースデザインに優れたモデルを中心に、ゲーミングPCを展開している。
具体的にはピラーレスケースを採用したシリーズが多く、ピラーレスケース専門BTOと言えるほどだ。
ストームの良い評判・メリット
まずは、ストームの良い評判やメリットを見ていこう。
ピラーレスケース採用シリーズが多い
ストームが展開するシリーズは、ほとんどがピラーレスケース採用だ。
ピラーレスケースとは、フロントと左サイドパネルが強化ガラスになっているケースのことで、オシャレな見た目が特徴だ。
ピラーレスケースを採用しているBTOはかなり少なく、ストーム独自の特徴と言える。
納期が比較的安定している
BTOパソコンは注文から到着まで時間がかかることが多いが、ストームは比較的納期が安定している、または早いという意見が多い。(ただし、時期やパーツの供給状況によって変動する可能性はある)
公式サイトが使いやすい
ストームの公式サイトはシンプルなデザインであり、かなり使いやすい。
やや重いものの、製品一覧やカスタマイズ画面がわかりやすく、どこでゲーミングPCを買えるのかがわかりやすい。
バナーなどがごちゃごちゃしているBTOも多いため、サイトの使いやすさはストームの大きな特徴の1つだ。
ストームの悪い評判・デメリット
一方で、ストームには注意すべき点やデメリットに関する評判もある。
情報量・レビューの少なさ
大手メーカーと比較すると、公式サイトの情報量や、ユーザーレビュー、詳細な検証記事などが少ない傾向にある。
購入前に十分な情報を集めるのが難しいと感じる人もいるだろう。
カスタマイズの選択肢が少ない
基本的なカスタマイズは可能だが、電源や冷却ファンなどの細かいパーツの選択肢は、大手BTOメーカーに比べると少ない傾向にある。
特定のパーツにこだわりたい人にとっては、物足りなさを感じるだろう。
サポート体制への不安の声
サポート対応については、賛否両論ある。
「丁寧に対応してもらえた」という声がある一方で、「連絡がつきにくい」「対応に時間がかかった」といった不満の声も散見される。手厚いサポートを期待している場合は、少し注意が必要だ。
とはいえサポートに関する不満の声は大手BTOでもよくあるため、ストームが明確に劣っているというわけではない。
ストームはどんな人におすすめ?
これまでの評判を踏まえると、ストームは以下のような人におすすめだ。
- ピラーレスケースを採用したゲーミングPCを求めている人
- 大手BTOメーカーほどの豊富なカスタマイズ性を求めない人
逆に、豊富なカスタマイズ性を求める人、購入前に多くの情報を比較検討したい人は、他の大手BTOメーカーも合わせて検討した方が良い。
ストームで選べるPCケース&シリーズ一覧
- 鏡界2シリーズ
- 新界2シリーズ
- 幻界シリーズ(MSI MAG PANO M100R PZ White)
- 幻界LBシリーズ(MSI MAG PANO M100R PZ Black)
- 影界シリーズ(Phanteks PH-NV5S)
- 風域シリーズ
ストームはピラーレスケース専門BTOと言えるほど、ピラーレスケースを採用したシリーズが多い。
見栄えの良いピラーレスケースを求めているなら、ストームを選んで間違いない。
鏡界2シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 220mm×440mm×455mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB3.0×2 USB3.1 Gen2 Type-C |
鏡界2シリーズは最も基本的なシリーズだ。
上位のシリーズと比べると、内部配線のきれいさで劣るが、価格が安いというメリットがある。
とりあえずピラーレスケースのゲーミングPCが欲しい人向けだ。
R7 5700X | R7 7800X3D | U5 225F | U7 265F | U7 265K | U7 265KF | |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX5070Ti | 369,800 | 399,800 | 389,800 | |||
RTX5070 | 299,900 | 329,800 | ||||
RTX4060Ti | 239,800 | 279,800 | ||||
RTX4060 | 179,800 | |||||
RX9070 | 256,000 | |||||
RX7800XT | 219,800 | 259,800 |
※2025年4月17日時点での情報
新界2シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 220mm×440mm×455mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB3.0×2 USB3.1 Gen2 Type-C |
新界2シリーズは、鏡界2を進化させたシリーズであり、内部配線を徹底的に隠すことで見栄えが非常に改善されている。
鏡界2シリーズと比べると違いは明らかであり、PCケース内部がスッキリとしていることがわかる。
R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D | i5-14400F | i7-14700F | i7-14700KF | |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX5070Ti | 439,800 | 449,900 | 399,800 | 405,000 | ||
RTX5070 | 388,000 | 338,000 | 343,000 | |||
RTX5060Ti | 279,800 | 219,800 209,800 | 269,800 259,800 | |||
RTX4060 | 214,000 | |||||
RX9070XT | 388,000 | |||||
RX9070 | 368,000 | 378,000 | ||||
RX7800XT | 319,800 |
※2025年4月17日時点での情報
幻界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 235mm×405mm×440mm |
インターフェイス | ヘッドホン マイク USB3.2 Gen2 Type-C ×1 USB3.2 Gen1 Type-A ×1 |
幻界シリーズはMSIコラボモデルであり、MSIのPCケースを採用している。
新界2シリーズと同じく内部配線が隠されているため、ケースの雰囲気と合わせてまさに幻想的なデザインに仕上がっている。
R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D | R9 9900X3D | R9 9950X3D | i5-14400F | i7-14700F | i7-14700KF | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX5080 | 509,800 | 629,800 | 649,800 | |||||
RTX5070Ti | 439,800 | 449,900 | 399,800 | 405,000 | ||||
RTX5070 | 388,000 | 338,000 | 343,000 | |||||
RTX5060Ti | 279,800 269,800 | 219,800 209,800 | 269,800 259,800 | |||||
RTX4060 | 214,000 | |||||||
RX9070XT | 388,000 | |||||||
RX9070 | 368,000 | 378,000 | ||||||
RX7800XT | 319,800 |
※2025年4月17日時点での情報
幻界LBシリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 235mm×405mm×440mm |
インターフェイス | ヘッドホン マイク USB3.2 Gen2 Type-C ×1 USB3.2 Gen1 Type-A ×1 |
幻界LBシリーズは、幻界シリーズの黒ケース版だ。
幻界シリーズと同じく内部配線が徹底的に隠されていて、見栄えが非常に良い。
影界シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 218mm×504mm×445mm |
インターフェイス | ヘッドホンマイク USB3.2 Gen2 Type-C ×1 USB3.0 ×2 |
影界シリーズは、心奪われるような引き締まった黒を目指したシリーズだ。
黒×LEDイルミネーションによって、スタイリッシュなビジュアルを実現している。
R7 7800X3D | R7 9700X | R7 9800X3D | R9 9950X3D | i7-14700KF | U5 225F | U5 245K | U7 265F | U7 265K | U9 285K | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RTX5090 | 769,800 | 809,800 | 809,800 | |||||||
RTX5080 | 489,800 | 509,800 | 509,800 | |||||||
RTX5070Ti | 429,800 | 439,800 | 409,800 | 419,800 | ||||||
RTX5070 | 368,000 | 378,000 | 329,800 | 348,000 | 358,000 | |||||
RTX5060Ti | 269,800 259,800 | 259,800 249,800 | 299,800 289,800 | |||||||
RTX4090 | 609,800 | |||||||||
RTX4070Ti S | 338,000 | |||||||||
RTX4060 | 264,800 | 254,800 | ||||||||
RX7800XT | 319,800 |
※2025年4月17日時点での情報
風域シリーズ

仕様 | |
---|---|
大きさ (幅×高さ×奥行き) | 200mm×465mm×455mm |
インターフェイス | ヘッドホン マイク USB3.0 ×2 |
風域シリーズは、高コスパを目指したシリーズだ。ピラーレスケースは通常より高価になるため、コスパシリーズとして風域シリーズが登場した。
一部モデルでは、最新ではないものの十分な性能を持つCPUを採用することで、より低価格なPCに仕上げている。
まとめ:ストームの評判を理解して最適な選択を
ストームは、ピラーレスケースによるデザインを最大の武器とする一方で、情報量の少なさやカスタマイズ性の限界、サポート面での不安の声といった側面も持ち合わせている。
メリット・デメリットを正しく理解し、自分の目的やPCスキル、予算に合っているかを慎重に判断することが、後悔しないBTOパソコン選びの鍵となる。
他のBTOとも比較検討しながら、自分にとってベストな一台を見つけよう。